太鼓台資料室 | 祭りから祭礼への契機 | TOP |
日本の祭りで重要な変わり目の一つは見物と称する群の発生である。信仰を共にせざる人々、言わばただ審美的立場から、この行事を観望する者が現れたのである。(柳田国男氏著より) 「見られる祭り」の出現が、祭りから祭礼への契機となった。現在実施されている祭礼は「見せる」「見られる」事を意識する事から発生、発達した文化である。つまり「見る者」即ち観客の登場で、祭りを行う側が見せる事を意識し、山車や芸能を発達させてきた。 (愛媛県の幾つかの例) ●新居浜太鼓台 金糸の刺繍で幕を飾ったり、次第に大型化 ●西条のだんじり 屋台にふんだんにつかわれる彫刻 ●小松町 東予市 装飾が著しく発達した西条と同じ型のだんじり ●松山 神輿のぶつけあい、独特の神輿文化、ある面、神輿の山車化 ●宇和島 牛鬼の巨大化傾向 現在では、市民が「見る者」を越えて「参加者」として祭りに加わる事で、祭礼を形作っている。21世紀に向けて祭礼を継続していく為には良し悪しは別として、それが欠かせない要素と思われる。 (以上 愛媛祭り紀行より抜粋) |